臨床指標について
臨床指標とは、医療の質をあらわす指標です。病院の機能や診療の状況などについて、様々な指標を設定することで医療の質を数値として示すことができます。
 また、指標を経時的に把握・分析し、改善を促すことにより、医療の質の向上を図り、患者さんに安全な医療を提供することを目的としています。
用語として、臨床指標 Clinical Indicator:CI、または質指標Quality Indicator:QIと呼ばれます。
東京歯科大学市川総合病院の臨床指標
 患者満足度
 外来患者満足度
定義・説明:患者さんにアンケートをお配りして回答をいただいています。総合評価としての設問「東京歯科大学市川総合病院を親しい方にもすすめようと思いますか?」の回答を集計しています。
  - 設問:東京歯科大学市川総合病院を親しい方にもすすめようと思いますか?
- 回答:5段階評価「すすめる」「まあまあすすめる」「どちらとも言えない」「あまりすすめない」「すすめない」
- 収集期間:11月1日~30日の間の任意の日程で調査
設問「当院を親しい方にもすすめようと思いますか?」
  
    
      |  | すすめる | まあまあすすめる | どちらともいえない | あまりすすめない | すすめない | 対象期間 | 回答患者数 | 対象期間外来患者 | 回答率 | 
    
      | 2019年度 | 106 | 137 | 81 | 9 | 7 | 1日 | 347 | 1,340 | 25.9% | 
    
      | 2020年度 | 143 | 147 | 96 | 11 | 4 | 1日 | 401 | 1,241 | 32.3% | 
    
      | 2021年度 | 183 | 163 | 94 | 16 | 9 | 1日 | 472 | 1,280 | 36.9% | 
    
      | 2022年度 | 150 | 177 | 85 | 11 | 3 | 1日 | 434 | 1,447 | 30.0% | 
    
      | 2023年度 | 113 | 119 | 60 | 10 | 0 | 1日 | 316 | 1,307 | 24.2% | 
    
      | 2024年度 | 105 | 137 | 74 | 7 | 3 | 1日 | 336 | 1,288 | 26.1% | 
  
 
  
    
      |  | A)すすめる+まあまあすすめる | B)どちらともいえない+あまりすすめない+すすめない | A)+B) | A)の割合 | 
    
      | 2019年度 | 243 | 97 | 340 | 71.5% | 
    
      | 2020年度 | 290 | 111 | 401 | 72.3% | 
    
      | 2021年度 | 346 | 119 | 465 | 74.4% | 
    
      | 2022年度 | 327 | 99 | 426 | 76.8% | 
    
      | 2023年度 | 232 | 70 | 302 | 76.8% | 
    
      | 2024年度 | 242 | 84 | 326 | 74.2% | 
  
 
解説:患者さんが当院の外来診療にどの程度満足(納得)されたかを示しています。医療の結果を直接表すものではありませんが、当院の医療の質を示す重要な指標のひとつと考えています。この指標は高い方が望ましいです。
その他の患者満足度調査の結果はこちらよりご覧ください
入院患者満足度
定義・説明:患者さんにアンケートをお配りして回答をいただいています。総合評価としての設問「東京歯科大学市川総合病院を親しい方にもすすめようと思いますか?」の回答を集計しています。
  - 設問:東京歯科大学市川総合病院を親しい方にもすすめようと思いますか?
- 回答:5段階評価「すすめる」「まあまあすすめる」「どちらとも言えない」「あまりすすめない」「すすめない」
- 収集期間:11月1日~11月30日(2017年度のみ11月8日~1月8日)
設問「当院を親しい方にもすすめようと思いますか?」
  
    
      |  | すすめる | まあまあすすめる | どちらともいえない | あまりすすめない | すすめない | 対象期間 | 回答患者数 | 対象期間退院患者 | 回答率 | 
    
      | 2019年度 | 206 | 89 | 34 | 1 | 0 | 11/1-11/30 | 338 | 1,063 | 31.8% | 
    
      | 2020年度 | 247 | 100 | 30 | 0 | 0 | 11/1-11/30 | 377 | 910 | 41.4% | 
    
      | 2021年度 | 189 | 55 | 20 | 0 | 0 | 11/1-11/30 | 265 | 887 | 29.9% | 
    
      | 2022年度 | 147 | 55 | 21 | 1 | 0 | 11/1-11/30 | 224 | 824 | 27.2% | 
    
      | 2023年度 | 139 | 72 | 24 | 1 | 1 | 11/1-11/30 | 240 | 912 | 26.3% | 
    
      | 2024年度 | 213 | 80 | 22 | 3 | 2 | 11/1-11/30 | 322 | 964 | 33.4% | 
  
 
  
    
      |  | A)すすめる+まあまあすすめる | B)どちらともいえない+あまりすすめない+すすめない | A)+B) | A)の割合 | 
    
      | 2019年度 | 295 | 35 | 330 | 89.4% | 
    
      | 2020年度 | 347 | 30 | 377 | 92.0% | 
    
      | 2021年度 | 244 | 20 | 264 | 92.4% | 
    
      | 2022年度 | 202 | 22 | 224 | 90.2% | 
    
      | 2023年度 | 211 | 26 | 237 | 89.0% | 
    
      | 2024年度 | 293 | 27 | 320 | 91.6% | 
  
 
解説:患者さんが当院の入院診療にどの程度満足(納得)されたかを示しています。医療の結果を直接表すものではありませんが、当院の医療の質を示す重要な指標のひとつと考えています。この指標は高い方が望ましいです。
その他の患者満足度調査の結果はこちらよりご覧ください。
病院全体
 死亡退院患者率
  
    
      |  | 分子 | 分母 | 割合 | 
    
      |  | 死亡件数 | 症例数 | 死亡退院患者率 | 
    
      | 2018年度 | 384 | 11,577 | 3.3% | 
    
      | 2019年度 | 375 | 11,854 | 3.2% | 
    
      | 2020年度 | 329 | 9,924 | 3.3% | 
    
      | 2021年度 | 281 | 10,007 | 2.8% | 
    
      | 2022年度 | 309 | 9,751 | 3.2% | 
  
 
解説:死亡率は病院の努力で下げられる部分と、疾病や重症度などの患者さんの状態により死亡したと推測される部分があります。また、死亡率は病院の規模や機能によって大きな影響を受けるので、他施設と比較することよりも自院の数値の経年的変化に着目していく必要があると考えています。その期間に重症な患者さんがどの程度入院されていたかにもよるため、この指標は単純な高低での評価は難しいと言えます。
 2020からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当院も含め全国的に入院患者が減少しているようです。
 7日以内再入院のうち計画外入院割合
  
    
      |  | 分子 | 分母 | 割合 | 
    
      |  | 計画外の再入院患者数 | 7日以内の再入院患者数 | 計画外入院割合 | 
    
      | 2018年度 | 175 | 317 | 55.2% | 
    
      | 2019年度 | 189 | 362 | 52.2% | 
    
      | 2020年度 | 156 | 347 | 45.0% | 
    
      | 2021年度 | 172 | 343 | 50.1% | 
    
      | 2022年度 | 131 | 261 | 50.2% | 
  
 
解説:患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)向上や医療費の削減を企図した国の政策などにより在院日数の短縮が推進されている中で、提供されている医療の質が低下していないかなどを図る指標の一つです。予定されていない再入院の理由については、「回復が不十分なままに退院させているのではないか」「入院中の治療は十分であったか」「退院指導は充分であったか」など検証していく必要があります。この指標は低い方が望ましいです。
 2020からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、急を要さない手術の延期等の対応が求められたため、全国的に入院患者数が減少しています。
 退院後6週間以内の救急医療入院率
  
    
      |  | 分子 | 分母 | 割合 | 
    
      |  | 前回の退院日が 6週間以内の
 救急医療入院症例数
 | 退院症例数 | 救急医療入院率 | 
    
      | 2017年度 | 381 | 11,921 | 3.2% | 
    
      | 2018年度 | 399 | 11,710 | 3.4% | 
    
      | 2019年度 | 373 | 11,965 | 3.1% | 
    
      | 2020年度 | 248 | 10,013 | 2.5% | 
    
      | 2021年度 | 275 | 10,163 | 2.7% | 
    
      | 2022年度 | 259 | 9,645 | 2.7% | 
  
 
解説:重篤な状態で予定外の再入院をした患者さんの割合ともいえます。重篤な状態とは、意識障害又は昏睡、呼吸不全や心不全、緊急手術を必要とする状態などです。この指標が高い場合「入院時の治療が不十分だったのではないか」「回復が不十分なままに退院させているのではないか」といった分析が必要です。重症な患者を多く受け入れている病院は高い数値になる傾向がありますが、この救急医療入院率は低いほうが望ましいということになります。
 2020年度からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国的に入院患者数が減少しているようです。
医療安全
 入院患者の転倒・転落発生率
  
    
      |  | 分子 | 分母 | 割合 | 
    
      |  | 転倒・転落発生数 | 入院患者延べ人数 | 入院患者の転倒・転落発生率(‰) | 
    
      | 2018年度 | 430 | 164,115 | 2.62‰ | 
    
      | 2019年度 | 385 | 160,107 | 2.40‰ | 
    
      | 2020年度 | 362 | 138,119 | 2.62‰ | 
    
      | 2021年度 | 337 | 136,534 | 2.47‰ | 
    
      | 2022年度 | 317 | 132,472 | 2.39‰ | 
  
 
解説:転倒・転落は、病院内で発生した一切の転倒・転落を言います。転倒・転落の原因としては、患者の健康障害(歩行障害等)、治療に伴うもの(麻酔薬や眠剤などの影響によるものや画像検査時の検査台からの転落等)、環境(生活環境の変化によるものや廊下が滑りやすい等)などがあります。この数値は、低い方が望ましいということになります。
 2020年度からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国的に入院患者数が減少しているようです。
 インシデント・アクシデントレポート報告数(100床当たり、月平均)
  
    
      |  | インシデント・アクシデント レポート報告数
 (100床当たり、月平均)
 | インシデント・ アクシデント発生件数の
 月平均
 | インシデント・アクシデント レポート報告数
 | 許可病床数 | 
    
      | 2017年度 | 50.8 | 289.3 | 3,472 | 570 | 
    
      | 2018年度 | 57.6 | 328.3 | 3,940 | 
    
      | 2019年度 | 61.1 | 348.0 | 4,176 | 
    
      | 2020年度 | 72.7 | 414.2 | 4,970 | 
    
      | 2021年度 | 67.2 | 383.1 | 4,597 | 
    
      | 2022年度 | 67.2 | 382.9 | 4,595 | 
  
 
解説:身体への侵襲を伴う医療行為は常にインシデント・アクシデントが発生する危険がありますが、その発生をできる限り防ぐことは医療安全の基本です。インシデント・アクシデントの発生は少ない方が望ましいのですが、院内からのインシデント・アクシデントの発生報告が適切に行われていることは重要となります。当院では、2018年1月より新システムを導入し、迅速かつ簡便に報告を行うことができる体制つくりの取り組みを始めました。一般的にインシデント・アクシデントの年間報告数が病床数の5倍程度(うち1割が医師による報告)あることが、医療安全活動の透明性の目安と言われています。
薬剤
 広域抗菌薬使用前の培養検査実施率
  
    
      |  | 分子 | 分母 | 割合 | 
    
      |  | 分母のうち投与開始初日までに 培養検査を実施した人数
 | 広域抗菌薬投与を 開始した入院症例数
 | 培養実施率 | 
    
      | 2017年度 | 297 | 527 | 56.4% | 
    
      | 2018年度 | 301 | 558 | 53.9% | 
    
      | 2019年度 | 262 | 520 | 50.4% | 
    
      | 2020年度 | 209 | 398 | 52.5% | 
    
      | 2021年度 | 253 | 461 | 54.9% | 
    
      | 2022年度 | 381 | 416 | 91.6% | 
  
 
解説:広域抗菌薬(多くの種類の菌に対して効果のある抗菌薬)というと、何にでも効果があるすごい薬のように思われるかもしれませんが、漫然と広域抗菌薬を使用することはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの多剤耐性菌(効果のある薬剤が少ない菌)を発生させてしまうことにつながってしまいます。これを防ぐため、培養検査をして原因菌をつき止め適した抗菌薬を選択していくことが必要となります。当院では、医師だけでなく薬剤師も連携して適した薬剤の選択に努めています。この指標は、広域抗菌薬を漫然と投与していないことを示す数値であり、高いことが望ましいです。
 2020年度からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国的に入院患者数が減少しているようです。
 ※ここでは広域抗菌薬を「カルバペネム系注射薬、ニューキノロン系注射薬、抗 MRSA 薬(バンコマイシン内服は除く)」と定義しています