概要
心臓血管外科では、市川市近隣の皆様の健康を支えられますように、心臓血管外科における疾患に対し広い範囲の診療を行っています。循環器内科とのチーム医療のもと、地域に密着した急性期医療を提供していきます。
大動脈疾患、後天性心疾患(冠動脈疾患、心臓弁膜症)、不整脈疾患などバランス良く対応しています。低侵襲手術にも積極的に取り組み、心拍動下冠動脈バイパス術、小切開心臓手術の他、大動脈領域ではステントグラフト治療、あるいはステントグラフトを用いたハイブリッド手術などにも対応しています。具体的には、胸部大動脈瘤、解離性大動脈瘤、胸部大動脈疾患に対する緊急手術(大動脈解離や動脈破裂)、狭心症・心筋梗塞後の冠動脈バイパス術、弁の逆流や狭窄に対する弁膜症手術、心筋症に対する心筋切除手術、心臓腫瘍や先天性心疾患手術、ペースメーカー手術まで多岐に渡り治療をさせていただきます。
ご挨拶
心臓血管外科部長・教授
伊藤 努
2025年4月より新しいチームで診療にあたります。
心臓血管外科を代表してご挨拶申し上げます。
当科は2005年に申 範圭先生が初代教授として着任され、市川市で初となる心臓血管外科を開設されました。動脈グラフトを積極的に用いた多枝冠動脈オフポンプバイパス術、弁尖温存のdynamic repairによる僧帽弁形成術などに力を注がれました。また2021年からは後任の井上仁人先生を中心に千葉県で唯一、自己心膜を用いた大動脈弁形成術を導入するなど、当院は千葉県の東葛南部地域における心臓外科治療に先駆的な役割を果たしてまいりました。
このたび、2025年4月より新たな心臓血管外科チームとして、循環器内科とともに心臓病センターの役割を担います。
市川市に根付いた地域医療、大学病院としての高度専門医療、そして設立母体が歯科大学であることを生かした歯科医科連携に基づく医療を意識し日々診療にあたってまいります。
市川市に根付いた地域医療
私たちは、ほぼすべての循環器疾患を受け入れ、24時間365日迅速かつ正確な対応を行うことを使命と考えています。市川市を含む東葛南部地域も心臓、あるいは大血管手術を必要とする疾患が増加傾向にあります。外科治療が必要とされる患者様に、安全な手術を提供するのみならず入院中の管理を看護師、薬剤師、リハビリなど多職種のスタッフと協働してまいります。そして退院後も長期にわたり安心な生活を提案できるよう、近隣のかかりつけの先生がたと細やかな連携のもと支援してまいります。
大学病院としての高度専門医療
私たちは大学病院として高度な医療に取り組むと同時に、総合病院ならではの多くの診療科と連携することができます。高齢社会の今、様々な併存する疾患を持ちながら手術に臨むことも多くなりました。各領域の専門医に相談いただきながら、術前、術後の診療にあたることができます。
歯科医科連携に基づく医療
私どもの病院は設立母体が歯科大学であり、歯科診療部門が充実しています。心臓、大血管手術において、周術期の口腔ケアや摂食・嚥下機能の維持は極めて大切です。歯科医科の充実した連携は術後合併症の減少、患者様の生活の質の維持に有効であり、今後もしっかり対応してまいります。
私たちは力を合わせて、連携をキーワードにチーム医療を実践してまいります。部長の伊藤は、2007年より10年間、高度急性期病院である済生会横浜市東部病院にて部長として年間300例におよぶ心臓・大血管手術を担当し、その後2017年より慶應義塾大学病院にて准教授として大血管治療を担当、急性大動脈解離・大動脈破裂などの急性期疾患、複雑な広範囲大動脈疾患を中心に臨床経験を積んで参りました。医局員の宮木講師は、僧帽弁形成術、オフポンプバイパス術など低侵襲手術治療を中心に研鑽してまいりました。
今後も皆様に支えていただきながら地域医療の発展のために貢献したいと考えております。
何卒宜しくお願い申し上げます。